サービス産業従事者の賃金を上げるしかない


 介護ヘルパー不足を埋めるために海外から連れてくるのか。なに考えてんだか。


インドネシア、介護士ら年内にも来日 就労中に研修(asahi.com)

 両国が合意した派遣数は2年間で看護師候補400人、介護福祉士候補600人。条件は、看護はインドネシア看護専門学校か大学の看護学部を卒業し2年以上の実務経験があること。介護は同様の看護の学歴があるか、ほかの分野の専門学校卒以上の学歴で出国前に介護研修を受ける、などとなっている。

 日本に来た候補者は、6カ月間の日本語研修を受けた後、病院や老人ホームなどで助手として働きながら技能を身につける。日本語の国家試験に合格すれば事実上無期限で在留し、施設で看護師、介護福祉士として就労できる。受からなければ帰国する。
 渡航費と日本語研修費は日本政府が負担する。政府は08年度予算案に、フィリピンからの派遣も含め関連費用として約19億円を計上している。


 ガイジンに介護なんかできるわけないとか、そういうことじゃないよ。ま、これだけカネかけてどんだけ定着するかは厳しいとは思うけど。これも厚労省の利権だな。
 こういうやり方に賛成できないのは、コストばっかり高くてその割に実効性に乏しいから。日本人が雇えないから海外から連れてくるってのは、農業や工業とかでもやってるけど、そうでもしないと成り立たない産業はそもそも日本国内に無くていい。


 もちろん介護はサービス産業だから輸入できないわけだけれど、農業など日本が比較劣位にある産業をぜんぶ輸入に切り替え、その分の資本を比較優位の産業に振り向けることは可能。そうすれば日本全体の生産性は高まり物価水準も上昇するので、介護などサービス産業従事者にもっと余分に給料を払えるようになるし、単純に比較劣位の産業から人材の移動も可能だ。そうすれば海外から連れてくる必要はさらさら無い。
 もちろん本来の意味の研修生なら大歓迎で、日本に来ておおいに学んで帰っていただけばよい。当然ながら費用は先方にも持ってもらおう。
 

 そういえばサービス産業で思い出したが、今日のテレ東WBSで、五十嵐敬喜氏が物価高に関して「この物価高は海外から来たもの。デフレが続いている日本国内の物価上昇が必要。だからサービス産業の賃金を上げなければいけない」とか言っていた。
 この人、コメンテーターとしてきわどく空気を読みつつ正論も述べる(空気読まずに正論言う人にテレビはムリ。それでも出られるのは空気読まなさのさじ加減が絶妙ってことだろう)ので最近注目してる。昨日は昨日で「食糧自給率アゲロ」的な特集のシメで、「自給率上げるのはムリ。海外から買うほうが遥かに安くつく」と、見事な正論でひっくり返してたし(小谷真生子絶句w)。なんとかパージされないで生き残ってほしいもんだ。
 ちなみに同姓同名の法政大教授もいるので、注意が必要。著書を挙げとこう。