道路特定財源=結局問題なのは「金額」だ


道路特定財源一般財源化が論議されている。
vs地方…民主党、道路財源と暫定税率廃止でシンポ(政局ニュース:イザ!)
民主党のいいぶんとしては、こんな感じだろうか。

  1. 特定財源国土交通省既得権を打破
  2. 一般財源化すれば、地域主導で、必要な道路のみしかも安く作れる
  3. のこりは、福祉や医療や教育などに効率的な使い方ができる
  4. ガソリンが安くなる(=とにかく物価が下がるのは良いことだ!)

強調部分をみれば、左派の伝統的な主張となにも変わらない「何でも反対戦法」だが、国会戦術としてはまあ正解なんだろう。民主党としては、下手に福田政権に歩み寄れば、党ごと空中分解しかねないからね(3/10追記:なんと自民党の中からも小泉元総理とか、一般財源化に賛成する声が出てきた。民主党が独自性を出すには日銀総裁人事で突っ張るしかないのか。迷惑な話だ)。
でも地方からみれば、本当に問題なのはカネの量=金額なのだ。財源がなんであろうと、国からカネを引っ張ってこないかぎり何もまわらないのだから、地域主導(民主党に言わせれば自主財源だがこれも変な定義だ)なんかどだい不可能なのだ。
仮に、こうした中央への依存を是とするならば、効率的に地方へカネを行き渡らせる仕組みとして道路特定財源って結構優秀なのではないか。道路以外にカネをまわすと、福祉も医療も教育も地域格差があるから、より発達した他府県へ需要(カネ)が流出してしまう。ガソリン値下げによる一般家計へ直にカネを流し込んでも、すべて地元で使うわけではないからカネはどんどん近くの大都市へ漏れ出て行くわけで、すでにそういうことは、現実になっている。
地方自治体が、出来るだけ確実に地域の総需要を増やしたいなら、地元に道路なりハコ物なりを作るしかない。何が必要で何が無駄なのかを峻別するのは大事だが、地域の活性化にとっての是非は、何円地元で消費もしくは投資されたか(総需要を増やしたか)であり、結局金額=カネの大小でしか測れないのだ。
もちろんそれは、日本全体でみればとんでもなく非効率だ。相対的に小さい利潤しか生まない地域へカネを投資することになるんだから。となれば、やはり地方の中央依存は否定されるべきだし、依存しなければやっていけない自治体は、衰退消滅し、住民は地域の中核都市へ集住する方向しかない。なんかミもフタもない感じだが。
もともとは、田中の角さんが「国土の均衡ある発展」とぶち上げて以来、地方の中央依存(=バラマキ)がはじまって、その結果としての非効率な資源配分が、高度成長を終わらせた側面もある。これまでは無理矢理でもどうにか保ってきたが、もう限界だ。でも例によって二進も三進もいかない状況に追い込まれるまで、この国は方向転換できないのだろうね……orz