犯罪者の引き渡し条約


ちょっと前に、日本で重罪を犯して海外に逃亡した犯人を、逃亡先と引き渡し条約を結んでいないがために、現地の司法に裁きを任せざるを得ないケースが多いことがニュースになった。
下の記事は、中国の海外逃亡した汚職官僚等の引き渡しと政治亡命犯の問題だが、以下の部分は重要だと思ったのでメモ。

(引き渡し条約を)二国間で締結するには前提条件がある。双方の国家が同一の犯罪行為に対する認識を同じくし、刑罰も類似したものでなければならないということである。しかし中国の現行法律の現状を見ると、諸外国の法規との間にはこの点で大きな開きがあり、条約調印を困難にさせている。

中国「政治亡命」に扉開く台湾(FACTA online)

結局、諸外国、とくに先進国では、死刑が廃止されている場合が多く、経済事犯にすら極刑を課す中国とはギャップが大きいがために条約を結べない。それどころか、死刑犯は原則として引き渡さないというのが一般的らしい。日本は、アメリカと韓国としか引き渡し条約を結んでいないが、両国とも死刑のある国だ。
ぼくの見聞きした限りでは、「ひき逃げ殺人犯が、高飛びしてのうのうとしている」みたいな感情的な取り上げ方しかなかったように思う。ぼくは必ずしも死刑反対派ではないが、なぜ引き渡し条約を結べないのかというポイントをニュースでも取り上げるべきだろう。