外国を助けるために財政出動してどうするのか

 10兆円の追加経済対策とか言ってるね。「首相、赤字国債も辞さず」だそうで。


 でも、財政政策の財源は赤字だろうがなんだろうが国債発行による。資金調達のために国債を売り市中のマネーを吸い上げると市中金利が上昇し、それは通貨高の原因となる。通貨高は、輸出減&輸入増により、マネー≒需要が海外へと流れ出す結果を招く。
 ようするにこれは、外国から見た「外需」であり、流出したぶんのマネーは外国のGDPを押し上げることになる。だから今回日本政府が国内需要を押し上げようといくらカネをつぎ込んでも、そのぶん(全部とはいわないが)別のところから海外に流出してしまう。つまり、金融危機で需要減に苦しむ外国を助けるために財政出動しているようなもんだ。あ、日本のみなさんが大好きな「オバマさん」への援護射撃にはなるかもねw 


 これを防ぐには、金融政策で市中に十二分にマネーを供給し、金利上昇を抑えるしかないが、日銀のスタンスは通貨供給を絞ることしか考えていない。政府紙幣の発行は、金融・財政政策両方の効果を出せるが、いまや議論することさえタブー視されているという状況だ。
 財政政策をガンガンやれたとして……(総理が何を言おうが、与謝野大臣がひっくり返す可能性はあるけどorz)、でも効果がない、財政赤字は増える、という10年前と同じ結果になるだけだろうね。