時間は逆戻りしない


『ベンジャミン・バトン』オフィシャルサイト〜数奇な人生のもとに生まれた男の一生

 
 公開2周目に観に行った。初回だったせいか結構ガラガラだった。オスカー確実という前評判(追記:実際複数の部門で授賞した)だけど、これは全国ウン百館でば〜んば〜んというタイプの映画ではないと思う。デビッド・フィンチャーブラッド・ピットの黄金タッグだからこその公開規模なんだろうけど。
 80歳で生まれてどんどん若返っていく男の物語なんだけど、もともとはマーク・トウェインの言葉に着想を得た原作らしい。「時間を逆回転させることができたら」とは、だれしもが夢想することだが、実際にはできないということなんだと思う。ベンジャミン・バトンはあくまで肉体が80歳で生まれて、0歳にむかって成長していっただけで、時間を遡ったわけではない。それは無数に種類のある不幸というか悲しみの一つではあるのだけれど。
 それと、ケイト・ブランシェットの老けメイク。ひど過ぎという意見が多数派っぽいけど、あのわき腹の崩れ方なんか、個人的にはなかなかだと思う.一方のブラッド・ピットは、肉体が若くなってからのほうが良かったような気がする。