任意同行"された"って表現はどうなの?
容疑者が逮捕されたという東金市の女児死体遺棄事件。
勝木容疑者は捜査本部に対し「事件当日は5歳ぐらいの女の子と会っているが、その後はよく覚えていない」と供述しているという。捜査本部は、勝木容疑者の刑事責任能力の有無についても慎重に調べを進める。
捜査本部によると、勝木容疑者は以前、県立の特別支援学校高等部に通っていたという。
うーん。TBSの『報道特集』で、逮捕前の容疑者のインタビューを流していたけど、彼の話しぶりは、ああ、そんな感じだね、という印象だった。これがあったから警察も慎重になって、現場遺留品から指紋が出ていたにもかかわらず、こんなに時間がかかったのかな、と。
任意同行を求められた段階からは容疑が切り替わったこともあるだろうが、この事実について出ているソースがほとんどリンク切れしてた。刑事責任能力あり、と警察が発表でもしたのかな。
まあ、それはどうでもよくて、気になった事はタイトルの通り。
勝木容疑者は6日午前7時ごろ、捜査員に任意同行された。
任意同行っていうのは、文字通り任意で、自分からすすんで警察に同行するという意味だ。「逮捕される」ならいいが、「任意同行"される"」と、こっちを受動態で使うのはおかしいだろう。『報道特集』もこういう表現をしていたし、「"任意同行された"」でGoogleニュース検索をかけると新聞、テレビとわさわさひっかかる。
正しく「◯◯容疑者*1が任意同行を求められ、それに応じる」じゃ文字数(テレビなら時間)多過ぎだからだろうが、強制的に任意同行って、仮に警察がそんなことしたら完全に違法だろ。せめて「任意同行に応じる」にしとけよって話。
12/7追記
殺人事件ではない可能性もあるので訂正。「女児死体遺棄事件」としておく。
それはともかく、たまたま今朝は『ザ・サンデー』を観ていたんだけど、勝木容疑者をなんとかして「ロリコンオタク」にしたがっていたのが醜悪だった。「幼い子供を狙った犯罪が増えている」という切り口もお決まりなら、米メーガン法とか海外の性犯罪関連法令を紹介して、「地域がこういう性犯罪者から子供を守らねば」という持って行き方は思考停止も甚だしい。地域なんぞに任せたら、異物排除の自警団主義になるのは目に見えてるんだが。
12/8追記
テレビで、千葉県警の記者発表が流れていたのをみたら、広報担当者が「勝木容疑者の行動確認中に指紋を採取し、遺留品の指紋と照合した」って発言してたけど、本人の同意無しに指紋取ったって意味か。だとしたら違法じゃねえの? 結果オーライ&マスコミに指摘する度胸はないって思ってるんだろうか。
昔、オウム真理教のドキュメンタリー『A』を見た時のことを思い出した。警官が、カメラの真ん前で堂々とオウム信者を「転び公妨」で逮捕してたな。「テレビだかなんだかしらんが、どうせ公表なんぞできるわけねー」と末端の巡査までが、マスコミをナメきっているのがよくわかった。
*1:本当はこの時点では◯◯容疑者とも言えないんだが