すげー、後藤田正純がまともに見えるよw

 


 "あの"後藤田正純氏(以前この人について書いたのはこちら)が、テレ朝『スーパーモーニング』(▷▷▶テレビ朝日 | スーパーモーニング)に出演していたので、「ああ、またイタい事言ってるのかねw」などと思いつつ観ていたら、そうでもなくておおいに困惑してしまった。聞き手の鳥越俊太郎キャスターのほうがひどい、ひど過ぎるんだ。w
 政界再編(第三極がどーとか)の話が主題だったようだが、当然現在の経済危機の話もでてくる。

鳥 越:「この財政危機の折に定額給付金なんてバラマキは……。後藤田さん、当然反対ですよね」
後藤田:「以前は反対でしたが、地元では期待が大きいし、定額給付なら税金を払ってない人たちにもお金を渡せるので、所得制限を付ける条件付きで賛成です」


(すべて大意)

 鳥越氏は定額給付がだめなら何ならいいのか。マスコミ人のいうことはいつもこのパターンだ。「バラマキ」だの、「ムダ遣い」だのはぴーぴー喚くくせに、対案の「た」も出てこない。
 後藤田氏は、所得制限の是非はともかくとして、課税最低限以下の層に給付すべしというのは、筋は通ってる。

鳥 越:「定額給付金には、国民の7割が反対と言ってるんですよ」
後藤田:「でも残り3割の人たちは、ここに居るみなさんのような東京に住んでる豊かな人たちとは違って、何万円か入るなら助かる、と思ってるんじゃないですか」


(すべて大意、強調はko_chan)

 なかなか手厳しいw

鳥 越:「でも、そんなことに2兆円もバラまくくらいなら……」
後藤田:「私はね、今は『種まき』でも『バラマキ』でもかまわずどんどんやるべきだと思ってるんですよ」


(すべて大意)

 鳥越氏はあいかわらず、対案ゼロ。後藤田氏が2兆円では規模が充分かについてどういう見解か不明だが、発言そのものは実に真っ当。あのアメリカだって財政がどうとか言ってる場合ではないとばんばん札ビラをきっているのだ。


 とどめは、これ。

後藤田:「いつも言ってるんですが『健全な消費と健全な雇用』というのが持論ですから」


(大意、強調はko_chan)

 いやー、いっそ気持ちがいいくらいの正論だww 仰せのとおり、景気対策として最も重要な政策目標は、消費と雇用。でも、この人のいう『健全』には注意が必要か。実際にこれまでやってきたことといえば、貸金業法改正では、金利=お金の値段を規制し、消費者庁では、消費者の箸の上げ下ろしまで口出し(あれは食べるな、これは凍らせるなとか)するなど、ご自分のかなり歪んだ倫理を押し付けるようなことばっかりだからね。


 とはいえ、そういう背景を抜きにして、鳥越氏と話しているのを端から見る分には「まとも」に見えてしまうんだから、いかにマスコミ人のレベルが低いかという証拠。いくら朝のワイドショーの視聴層のレベルにあわせたからといって、鳥越俊太郎クラスの人間がこの程度ではマズいのではないのか。
 政局であれ政策であれ、マスメディアで俎上にする以上、専門的なことを視聴者にわかりやすい言葉で語るところまでやらなければおかしいのに、視聴者の脊髄反射に寄り添って、逆に専門知識の方を罵倒するようなことをやっている。わかってやってるならたいしたタマだが、たぶんわかってない。あれで「ジャーナリスト」を全うしてるつもりなら、老害もいいところだ。現政権などより先にとっとと退場すべきだろう。