そりゃあムリだよ……

 市営での存続が困難となった千葉県銚子市の市立総合病院(393床)が30日を最後にすべての診療を休止した。「公設民営」で再建を目指すが、請負先の医療法人や再開時期はともに未定だ。
(中略)市は休止の理由を「医師不足と財政難」としている。岡野市長は病院存続を公約に掲げていたため、一部の市民は市長のリコールを検討している。


QUOTE ▶ MSN産経ニュース | 財政難と医師不足 銚子市立総合病院が診療休止


 はじめこのニュースを聞いたときは、ひどい話やなと思ったが、調べてみると銚子市って人口が7万ちょっとしかいないんだな。この人口で市立の総合病院を持つのはどうなんだろ?


参照 ▶ Wikipedia | 銚子市


 比較対象として思いついたのが、ぼくのいとこが嫁に行った岐阜県各務原市という自治体。航空自衛隊の基地があるので軍ヲタな人にはおなじみらしい。人口は銚子市の倍の14万人、重工系の工場が多くあって、法人事業税など結構入ると思われるが、市内に公設の総合病院は一つあるのみだ。それも市ではなく教員共済組合の運営で、病床数も銚子市立総合病院よりも少ない332床だ。


参照 ▶ Wikipedia | 各務原市
参照 ▶ Wikipedia | 東海中央病院


 冷たいことを言うようだが、そもそも銚子市の規模の自治体が自前の総合病院を持とうというのが無理な相談なのではないか。財政規模が銚子市のおそらく倍以上と思われる各務原市ですら、銚子より小さい市民病院しか持っていないのだ。銚子市がそれでも総合病院を維持しようとすれば、財政難は避けられないだろう。もうこれは、医療体制を近隣の自治体と連携して整えるか、でなければ合併でもするかぐらいしか方法はない。わかっていて変に期待を持たせたとしたら、現市長の責任は重い。