映画『デトロイト・メタル・シティ』


公式サイト ▶ DMC|デトロイト・メタル・シティ


 前から気にはなっていたのですが、先日なぜか娘が観に行きたいと言い出したので。新宿のジョイシネマだったんですが、なんとほぼ満員で、なにより驚いたのはおばちゃんの多さ。主演の松山ケンイチのファンなんだろうとは想像できましたが、この映画を観に来るか。。。


 映画の方は、原作のエピソードを強引に詰め込んだ感はあったものの、おおむねキッチリ作られていて楽しめました。松山ケンイチの根岸=クラウザーは期待通りで、ほぼ完璧に原作のテイストを再現していたと思います。


 で、原作マンガを読んでいる人の多くがポイントと考えるであろう楽曲ですが、「SATSUGAI「魔王」「グロテスク」「恨みはらさでおくべきか」がでてきます。デスメタルというよりはせいぜいスラッシュ・メタルくらいのデス度、重さはヘヴィ・ロックくらいで、原作原理主義的に厳しい見方をする人なら「こんなもん、メタルじゃねぇぇええ」と憤死しそうなシロモノ。とはいえ、間口が広い映画というメディアで原作設定通りの「悪魔系デスメタル」を再現したりすれば、せっかく集めたおばちゃん客層や小中学生がひきつけ起こしかねないですからねぇ。そういう意味では良くやっていたほうでしょう。スラッシュやメロスピ好きなワタクシ的には「SATSUGAI」なんかはけっこうハマりました。
 

 根岸くんが本当にやりたがってる(と自分では思い込んでいる)ポップスは、「甘い恋人」と「ラズベリーキッス」が出てきますが、マツケンがキモさ抜群で演じてくれています。「♫あまいあまいあまいあま〜い こ〜い〜び〜と〜」の部分がリフレインでしばらく頭からはなれてくれず難儀しましたw


 もともと原作マンガは、メタルと、その対立項としてのいわゆるオサレ(wなポップスおよび、そのファンや周辺文化まで、まとめて皮肉っているようなところがあって、メタルファンは自虐的に笑うしかないんですが、映画ではそういう部分はいくぶん脱臭されてました。まあ、メタルファンなら、「ヘヴィメタw? なんかキモい」みたいな目で見られることにわりと自覚的で耐性があるんですが、スウェディッシュ・ポップ(どんな音楽やねん、これw)とかが好きな人は、下手するとマジ切れしちゃうかもしれないので、しょうがないんですが。


SATSUGAI/甘い恋人(初回)(DVD付)

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デトロイト・メタル・シティ (1) (JETS COMICS (246))

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