露骨際まるポジショントーク


http://mainichi.jp/life/money/news/20080530k0000m020121000c.html

 会合では、経団連側が「安定的な社会保障制度を確立するには消費税の引き上げ以外に選択肢はない」と指摘したのに対し、自民党津島雄二税制調査会長は「消費税が重要な選択肢と多くの人が認めている。負担のあり方を国民に語りかけ、早く結論を出したい」と応じた。

 ま、財界がこういうこと言うのは、社会保険料の会社負担を無くしたいだけってことでFAなんだけど、問題は国民の側でも案外「年金を確実にもらって、医療を安く享受するためには消費税UPも仕方ないおw」とか考えていそうなことだなあ。今は原油の高騰で物価が高くなってるのでアドバルーンにとどめておいて、もし状況が落ち着いてきたらそのときは、増税論議が本格化するかもしれない。
 そして「石油も安くなったし、消費税上がっても節約すればいいおw」とみんなが考えれば、10年前に起こったのと同じことになるだろうね。あのとき山一が潰れたように大型倒産だってあるかもしれない。財界がそれで平気なのかというと案外平気だったりして。財界幹部の出身母体である大手企業にとっては、現状でもデフレで売り上げは伸びないなら、いっそのこともっとデフレにして中堅以下の企業を潰してシェアを奪うほうがお得かもしれない。
 経済政策を行う政府が(意図的だろーがそうでなかろーが)デフレを放置すると、経済主体のこういう歪んだ行動を誘発しかねない。政府によるゆるやかなインフレへのコミットメントがあれば、みんな頑張ってフェアに競争するしかなくなるが、できれば競争を避けて(より上位に行けなくてもいいから)今の地位だけは確実に守りたいと思うのも自由なんだもんね。