お役所の仕事増やすの好きねw

 医療版の事故調というフレコミで設置される医療安全調査委だけど、これも行政機関である以上は、お役所の焼け太り以外の何者でもないね。

医療死亡事故:24時間内、届け出義務 命令違反に懲役刑も−−安全調査委設置大綱案(毎日.jp)
医療安全調査委は、警察に先行して医療ミスが疑われる死亡事故を調査・分析する行政機関で、法施行から3年以内の運用開始を見込む。委員会は厚労省に設置する前提だったが、医療界から反対論も出たため、大綱案では所管省庁を特定しなかった。

 一万歩譲って、医療事故が増えていることを認めるとしても、それは医師の負担があまりに重くなっているせいだ。そしてその原因は、医療リソースの需給逼迫であり、その責任は、医学部定員を減らして医師の供給を絞り、医療費削減に奔走してきた厚労省にある。だから焼け太りと言っている。泣かされるのは現場の医師・看護士などだ。避けがたい患者の死の責任を問われるにせよ、責任追及をおそれて萎縮するにせよ、同じことだ。

 今回の調査委設置の原動力となったのは、患者遺族と、その尻馬にのったマスコミかと思うが、ここまでスンナリ進んだ背景には世論の後押しがあって、政治家や官僚が空気を読んだためだろう。その同じ世論とマスコミが、一方では「行政のムダ」と称して官僚タタキにいそしんでいるんだから笑うに笑えない。この国では、あちらこちらで火をつけては、水をかけ、おまけに新しい建材まで運んでくるといったことばかりやっているような気がする。他にやるべきことはいくらでもあるだろうに。