これが「社会不安」なんだと思う


 秋葉原の通り魔事件だけど、まずは亡くなった方および遺族の方々に哀悼の意を表したい。
 この事件の報道を受けて、だれもが自分が被害者になりうる恐怖を多少なりとも感じたのではないかと思う。もちろん客観的な趨勢として殺人等の件数が年々減少傾向にあることは了解しているが、主観的には加藤容疑者のように「誰でもいい」と考えるような殺人者が相当数存在することを、認識せざるを得ない。
 でも、これが社会不安って奴なんだと思う。犯罪の多くは経済の低迷で説明できるとすれば、デフレ不況が長期化した結果、20〜30代の若い世代が、就職難、成果主義、リストラなどで追いつめられ、その一部が社会に「復讐」するという図式が考えうる。それが無差別殺人という形になるのは全く容認できないが、社会に対して恨みをいだくことそのものはあながち「逆恨み」とも言い切れない面がある。

逮捕の25歳派遣社員「人を殺すために秋葉原に…」(YOMIURI ONLINE
加藤容疑者は昨年11月から派遣会社大手の日研総業(東京都大田区)に派遣社員として登録、静岡県裾野市にあるトヨタグループの自動車メーカー「関東自動車工業」(神奈川県横須賀市)の東富士工場で働いていたが、事件2日前の今月6日に無断欠勤していた。

 みんなでよってたかって「オタク趣味が〜」とか「ネットの匿名掲示版が〜」とか、わけのわからん印象操作を繰り返しているけど、こんなの「負け組の逆恨み暴発」以外の何者でもないでしょう。みんなに面目が立つだけの職を与えなければ、「道連れ殺人」的な事件はこれから何度でも起こると思う。たぶん世間の人々も感覚的にわかってると思う。この種の「負け組」の数を減らして社会的リスクを抑制するには、やっぱりマクロ経済政策しか無いと思う。