ねえ、マジで利上げしたいの?


 なんかもう取り上げるのもあほらしいんだが、新総裁初の日銀リポートに関する各紙の社説が出そろった。
 温度差はあるものの、日銀の利上げスタンス支持ということではほぼ共通している。なかでももっとも熱いのが毎日w。日銀リポート 金利正常化の旗を降ろすな(毎日.jp) なんとも勇ましいですなww

 短期的な成長の減速を悲観し過ぎると道を誤りかねない。「日本の金利は当分上がらない」との見方が定着すれば、国民生活や企業活動、国際的なカネの流れをゆがめるという弊害が大きくなる。日銀には、正常化の使命を着実に遂行してもらいたい。

 使命ときたかw 

 燃料や原材料の価格高騰による企業収益の悪化は心配だが、今の金利水準でも相当な下支えをしている。一方、物価上昇が加速する中で超低金利のままでは、預金者へのしわ寄せが増すばかりだ。例えば物価上昇率が年約1%なのに、1000万円を10年物定期に預けても、年0.7%程度の利息しかない状態は異常である。金利収入を見込んだ生活設計ができない、自国通貨での貯蓄が期待できず高リスクの外貨商品に資金が流れる、というのは経済大国として恥ずかしい。

 物価上昇率についての間違いとか、全部譲るとしてもだ。この社説子の言うように利上げした場合、利益を得るのは、国民の中で、現預金を大量に抱え、かつローンを組んでない人間、それと設備投資をいっさいせず、内部留保を貯め込んだ企業だね。
 ちなみにその逆の、預金がなく、賃金のみで生活する者と、住宅などローンを組んでる者、債務がある企業(あたりまえだが企業のほとんどはそうだろう)は損をする。ローンや債務を払えず破産や倒産する者も多数出るなぁ。企業が損をすれば、とうぜん賃金は下がるだろうしね。
 

 毎日の社説が、トンデモなのはともかく、いつもやたら極端なのって、経営が苦しいからかもね。なりふり構わず部数を上げたいと思えば、徹底的に一般読者におもねって俗耳に入りやすい記事のみ垂れ流すべし、となる。
 大衆が好むものは、すぐフトコロの足しになるものと、わかりやすい悪者だ。となれば、リフレの効用より、目先の利子のほうが見えやすいし、デフレの悪より、インフレの悪であおったほうがわかりやすい。


 いずれにしても、こういう形で世論形成が行われたら、日銀の、デフレ下でインフレを警戒する基地外じみたスタンスは変わらないだろう。たとえガガーンと景気が落ち込んでも、今なら全部サブプライムと福田政権のせいにできるから、金融政策の失敗に注意が向けられることはこれから先もないだろうなぁ。