あの伊達が……

 

伊達、第1シードの中村破る=単複ともに準決勝へ−カンガルー杯女子テニス(時事ドットコム)

 ここまで勝ち進んだのもすごいが、試合後の記者会見をテレビで見たら、あのマスコミ嫌いで有名だった伊達が、あんなににこやかな顔で記者の質問に答えていたのには驚いた。日本テニス界に恩返しをしたいとかなんとか、インタビューで言っていたらしいが、自分の早過ぎる引退が、現在の低迷にいくらかは影響したという意識はあったのかもしれない。


 しかし、そんな気持ちで「日本のテニス界はぬるま湯に浸かっている」「日本選手は心理戦に弱い」などと会見で苦言を呈してみても、ちゃんと報道されない。伊達に負けた選手たちなど、「負けて悔しいとは思わない」とか、それでもプロかい、と言いたくなるような発言をしている者もあるのに、何かモノを言おうというマスコミ人は居ないようだ。どこを見ても「いや〜、伊達選手の頑張りが元気を与えてくれますね〜」みたいな芸能マスコミ的な追っかけ報道(?)ばっか。
 伊達の現役時代、さんざんバッシング報道したことなんか、もう覚えちゃいないんだろうな。伊達がベスト4まで勝ち進んだ全豪オープンから帰国したとき、日本のマスコミは、成田で国内プレス向けに会見しろと要求した。伊達にしてみれば、メルボルンでの共同記者会見にこなかったのはアンタらマスコミでしょうと断ったら、逆恨みされた格好だった。伊達の引退を早めた最大の原因は、こうしたバッシング報道とか、対マスコミのストレスじゃなかったっけか。


 みんな好意的だが、本当に伝えたいことが伝わらないという逆の意味でストレスフルなこの状況は、いつまで続くんだろうか。早いとこテニス界を帰るべく動いてやらないと(スポンサーとか出来ることはいろいろあるだろう)いくら伊達でも、ナブラチロワじゃないんだから、40歳過ぎてもやり続けることなんてできねーぞ。「売れるキャラ」として消費するだけして、息切れしたらもう見向きもしないつもりか。これじゃなんのために復帰したのか。おまいらマスコミにネタを提供するためじゃねーんだぞ。

参考記事

伊達公子の復帰が照らし出した、女子テニス界の現状(LA在住ライターの『LALALAスポーツのほほん漫遊録』)
 スポンサーが見つからないと、泣きながら窮状を訴えたある若手選手とか、悲惨。