たしかにエモーショナルすぎるかも

 なんか瀬尾佳美青学大准教授のブログでの発言が炎上しかけてるみたいですな。青学の掲示版にあったカキコがこれ

 この大学の准教授である「瀬尾佳美」氏は個人のブログで光市母子殺害事件の中で

「被害者は1.5人」赤子は0.5カウントと書いていました。

これは倫理的に道徳的にもかなりひどいものだと思うのですが。
 ブログで以下抜粋「まったくの個人的意見だが赤ん坊はちょっとしたことですぐ死んでしまうので、傷害致死の可能性は捨てきれないと思っている。」いくらなんでも個人的すぎる意見です。
 そして「最低でも永山基準くらいをラインにしてほしいものだ。永山の死者は4人」この内容と赤子は0.5という発言を合わせると「赤子を8人殺せば死刑」ということになるのですが。大人を3人殺せば無期懲役。4人殺せば死刑赤子7人殺せば無期懲役で8人殺せば死刑ですか? 自分が問いたいのは青山学院で命については「赤子は0.5」という教え方をしているのですか?

(一部強調&句読点追加&文字送り変更はブログ主による)


 ぼくも以前、このブログでの発言を読んでいたが、死刑についての見解はともかく(ぼく個人の意見としては、感情的には死刑だが現実的には無期でしゃーないか、なのに裁判官、世情を気にし過ぎだろってな感じ)、「1.5人」云々のくだりには当時、特段違和感を覚えなかったので、も一度ソースにあたってみた。すると、

光市母子殺害事件と死刑廃止論(瀬尾佳美ブログ)


 繰り返すが私は死刑廃止論者ではない。麻原なんかさっさと首絞めたらいいと思っている。だが、光市の事件に関しては死刑は重すぎるように思えてならない。犯人が少年だからだ。
 私は少年に対する死刑には原則反対だ。理由は日本では18歳になっても選挙権がないから。選挙権もないのに、義務だけあるのは気に入らない。年金の掛け金を何千万も横領している公務員がなんのお咎めもない一方で、いくら重大犯罪人だといっても子供を死刑にするのは私の「正義感」には合わない。
 もちろん、だからといって何をしてもいい訳ではないが、国が死刑という形で犯す殺人には、熟慮が必要だと思うのである。最低でも永山基準くらいをラインにしてほしいものだ。
 永山事件の死者は4人。対してこの事件は1.5人だ(まったくの個人的意見だが赤ん坊はちょっとしたことですぐ死んでしまうので「傷害致死」の可能性は捨てきれないと思っている。ひとつが傷害致死の場合「殺人」の数は1。殺意があったなら2。どちらと信じる理由もないのでここでは1.5としておく)。一審、二審の判断は、相場から言えば妥当なところではなかったろうか。

 よく読む必要すらない。この「1.5人」ってのはあきらかに、

「殺意の有無」を指数化したもので、人権の大小など意味していない。

つまり殺意があれば殺人1人とカウント、殺意無く傷害致死なら殺人は0人、グレーならとうぜん0.5人で、被害者の年齢はまったく無関係。これをどう読めば、「赤ん坊の人権が0.5人分しかない」となるのか。赤ん坊がちょっとしたことで死ぬのはその通りだし、そのことと0.5人云々も結びつけられてはいない。近くに書いてあるからって、無関係のものを勝手に結びつけちゃダメだろ。
 カキコ者=引用者は、悪意ある改変をしたか、2ちゃんあたりで黄色強調部分の一部だけコピペされたものを読んだかしたのだろう。ぜんぶ読めば、筆者の意図はわかるはずだからだ。


 この瀬尾さんという人は、この最近の発言などを読む限りは、実にまっとうな学者さんに思える。死刑についての考え方も、これぐらい全然OKだろう。問題となったエントリでも、死刑廃止論者ではないと念押ししてるのにネットイナゴwにかかったら、上記のような揚げ足とりをされてしまう。

 この事件で死刑を求める“国民運動”には違和感を超えて恐怖さえ覚える。日本中で起こっている(犯人を)殺せ殺せの大合唱は戦慄以外のものではない。20日の本村洋氏の意見陳述も、「死ね」という以外のメッセージは何もなく、同情はするが共感はしない。(同ブログより)

 こういうこと言うから反感買ったのかね。瀬尾氏の言うような「殺せ殺せの国民運動」ってのはおおげさだと思うが(マスコミが騒いでるだけだからね)、こういうのを目の当たりにすると、怖いというか、阿呆ばっかというか、何なんだろうね、これは。



4/25追記


 瀬尾氏の著書のアマゾンレビューもひどい状態になってるな。((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル 粘着は怖いね。あきらかに本の内容と無関係で違反レビューだと思うが、版元の中の人は何も対策しないのかな。びびってんのか?

リスク理論入門―どれだけ安全なら充分なのか

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呆れた 2008/4/24
By りん (岡山県) - レビューをすべて見る

素晴らしい反面教師ですね
よく勉強させていただきました



217 人中、215人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
赤ちゃんの命は0.5人分 2008/4/24
By ジミー - レビューをすべて見る

この発言は4月23日にご本人の光市母子殺害事件のエントリーに追記されたものです。
見たことがない方は是非一度ご覧になって下さい。
上辺だけ取り繕った本など読むよりはよほどリスク管理の勉強になると思います。
もちろん反面教師としてですが。



348 人中、344人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者のブログから垣間見れる本書の価値・・・ 2008/4/23
By ken-kob - レビューをすべて見る

著者は自身のブログで大学准教授という立場の重大性を顧みず、反社会的コメントを繰り返している。このような人物が著書で読者にリスク管理云々を説く以前に、まずは己のリスク管理からはじめてもらいたい。

4/26さらに追記

 

 痛いニュースとかでも取り上げられて完全に炎上してますな。この件だけでなく過去の発言まであげつらわれているようだ。拉致問題とか、荒らし君への知恵遅れ呼ばわりとか、なにかと物議をかもしてきた人ではあるようだ。
 光市事件のブログ版の魚拓をみたが、ぼくが見たHP版の原文と微妙に違ってて、黄色字の強調部分が短くなってる。わざわざ誤解を招くような省略をしてブログに再録したのか? 魚拓者が改竄できたとも思えない。
 まあ、少なくとも光市事件の件については、煽ってる奴のほうがおかしいだろという意見は変わらない。他の事は他の事だ。



4/30さらに追記

 
 今回の件のまとめサイトを今見てきた。それによると、ぼくが読んだのは、騒ぎになってから加筆されたものだったようだ。まあ、元の文を読んでも、永山基準と関連づけているんだから、0.5人というのは殺意の有無を指しているってことでよいと思う。だが、加筆はマズかったね。叩いてる連中にしてみれば、加筆したことそのものを捉えて「改竄だ」と批判するだろう。一度火がついてしまったら、過去の発言すべてが悪いほうへと働く。経済がらみの話では、見るべきものがあるだけにもったいないが、もう擁護はムリかなぁ。
 こういうふうに、ネットで人が潰されていくのを見ると、ほんとにブログだなんだって言っても不毛だなと思う。何ともげんなりさせられた一件だったが、もうこれで終わりにしよう。こんな辺境にまで連中が押し寄せる可能性が絶対無いとは言えないが、あえて今回のエントリは、そのまま残しておく。嗅ぎ付けられて炎上したらそんときはそんときだ。