それでもやっぱり鉄道会社が努力すべきだ。あとマスコミも

 
昨日のエントリhttp://d.hatena.ne.jp/ko_chan/20080312で書いた痴漢でっち上げ事件の話。
 

さっきフジの「スーパーニュース」を観ていたら、事件の起きた時の車内は混雑していなかったようだ。周りの人にも状況はよく見えたことだろう。その上、被害者を装った女性は、男とわずか1週間前に知り合ったばかりだったという。その程度の関係じゃ自首したくもなるわな。おかげで名前を報道されることもなかったわけだ。
混雑した車内じゃなくても痴漢冤罪事件は起こる(今回の犯人はかなり杜撰だった。幸いにも)わけだが、それでも鉄道会社の責任は変わらない。ニュース内で木村太郎氏が言ってたが、車内に監視カメラをつけるなどの対応をすべき。痴漢でっち上げが、頻発するまで混雑を放置しなければ、鉄道会社はカメラに余分な投資を強いられることもなかったはずだ。これも木村氏のコメントだが、新たに株式公開する企業の幹部には、引き受け金融機関が、公共交通機関は利用するなと言い渡すらしい。痴漢でっち上げに狙われるからというのだ。
それともう一つ言っとかないといけないのは、「チカンは犯罪です」キャンペーンには、痴漢と闘う鉄道警察のドキュメントを散々放映してきたメディアも、懲罰強化の世論形成に一役買っていたということ。あの手の番組では、痴漢が現行犯でないと逮捕できない(今でも本当はそうだよね)ことが強調され、なかなかシッポを出さない痴漢常習者の狡猾さと、懸命に追う捜査官(しばしばそれは女性だったりする)が対比されるので、視聴者は、「面倒なことしないでバンバン捕まえればいいのに!」と思わされてしまう。
このところは、映画「それでもボクはやってない」の影響とか、痴漢冤罪がよく報道されるようになって、一般にも問題点が知られてきた(最近は痴漢の疑いをかけられても家族や会社が本人を信じて支援してくれるケースも多いらしい)ので、せいぜい頑張ってほしいものだ。でもやっぱりマスコミは報道した責任については口を拭うのだろう。ならばせめて今後は、「痴漢冤罪を着せられないためのテクニック」みたいな対症療法にしかならない取り上げ方ではなく根本解決につながるように、鉄道会社の責任にも厳しく言及すべきだろう。