移民受け入れより、輸入拡大のほうが公明正大

「長女に限り滞在許可も」法相、個別事情に踏み込み発言 | asahi.com


 不法滞在で国外退去処分が確定した埼玉県蕨市のフィリピン人、カルデロン・アランさん(36)が、長女のり子さん(13)が学業を継続するために一家3人の在留特別許可を求めている問題で、森法相は6日、閣議後の記者会見で「近くにおじさん、おばさんが3人いる」と明らかにした。そのうえで「適切な保護、養育の環境があれば、子どもに限って許可を出してもいい」として、あくまで全員での滞在を要望する一家側に再考を求めた。


 法を厳密に適用すれば強制送還なんだが、法務大臣に対し「特別扱いをしろ」と要求されているこの件。のり子さんには合法的に日本に在住している親戚がいるという事実をテレビは報道していないようだ。まあ、それ言っちゃったら、大半の視聴者は「じゃあ親戚が預かればいんじゃね?」と思うだろうから、この問題はネタとして終わってしまうわけで。
 で、いつのまにか表現が「(日本に)ひとりで残されるなんて可哀想」から「両親と引き離されるなんて可哀想」に変わってるようだねw これについてはいまさら目くじらたてるつもりはない。テレビってそういうもんだし。
 

 ただ、日本政府は世論怖さからとはいえ、必死で配慮してることがわかる。家族3人の特別在留許可を出しても、あるいは3人とも強制送還しても、左右いずれかから叩かれるのは目に見えてるから。「子どもだけ許可→国内の親戚に預ける」方向でまとまると踏んでいたんだろうが甘かったと。


 個人的な意見としては、あるいはゴネ得でも認めてしまっていいと思う。もちろん、無制限な移民受け入れには基本的に反対だ。だから短期的には、生活の基盤が出来てしまった者については在留許可を出して、中長期的には比較劣位にある労働集約産業をすべて輸入にきりかえ、移民労働者に給料払うかわりに彼らの祖国からモノを買うようにするしかないと思う。これなら移民労働者受け入れの場合とくらべて、より多くの人に恩恵がいきわたる。こっちのほうが公明正大なんじゃじゃないかな。
 そして、日本国内に労働集約産業がほとんどなくなってしまえば(完全になくなることはないだろうが)、学歴なり技能なりがある人だけしか日本にはこれなくなるし、日本に留学してそのまま就職というパターンも増えるだろう。頭脳労働とか特殊技能を要する仕事に限っては外国人も受け入れるべしってのは、日本のなかで一応コンセンサスがあるんだろうし。

3/11追記

 その後テレビでも、控えめながら親戚のおじさんおばさんの件に触れるところがちらほらでてきたようだ。そしてこの問題にたいするスタンスも「法的には3人とも強制送還ということになるが、なんとかならないんですかねえ」という両論併記というかどっちつかずというか、そんな感じに変わってきた印象。なんか必死で空気を読もうとしているなぁ。もはやテレビには、いい意味でも悪い意味でも世論をこっちへ持っていってやろうという気概っつうか、ずうずうしさみたいなものは望めないんだろうね。