「バラマキ」というレッテル貼り


自民党の総裁選でも経済政策が争点になるなど、景気が後退しているという認識が一般化したのは遅きに失した感はあるものの、まあそれ自体は良いことかな。
でも、景気対策をめぐっては、あいかわらずというか空虚な言葉だけが飛び交ってる。いつもネタにして申し訳ないが、民主党鳩山由紀夫氏は、いつも突っ込みどころ満載発言をかましてくれる。もちろん鳩山氏だけがトンデモなわけではなく、こういう空気は全体的に蔓延していると思う。

「バラマキ天国」定額減税を批判 民主・鳩山氏(asahi.com)

民主党鳩山由紀夫幹事長は30日、奈良市で講演し、定額減税を含む政府・与党の総合経済対策について「(官僚の)天下り天国を野放図にして水道の蛇口が開いたまま、景気がおかしいからいろんなところに水を供給しようと。バラマキ天国になる」と批判した。「消費者の購買力向上につながるのかという観点からもおかしな話だ」と述べ、定額減税の効果にも疑問をはさんだ。

うーむ、ここまでくるともはやシュールというか分裂気味というか、すごいですなw
「バラマキ」という用語は、自民党の若手「改革派」議員などもそうだが、定義が曖昧なまま一人歩きしている感がある。公共事業等、特定業界にカネを「バラまく」と批判する者がいるかと思えば、鳩山氏のごとく、減税を「バラマキ」として批判する者もいる。
まあ「バラマキ』という言葉自体の意味としては、国民全体にカネを分配する減税のほうが「バラマキ」っぽいな、とは思うが、経済政策として何が効果的かという話をしているのだから、そのレベルにおいて「バラマキ」という用語そのものには、全く意味がない。
ようするに「バラマキ」というのは、「守旧派」とか、「アカ」とかいうのと同じ、政敵に貼付けるべき、単なるレッテルに過ぎないわけだ。

さらに、民主党政策へのバラマキ批判に対しては「根底が違う。私たちは水道の蛇口はきっちり閉める。不必要なものはカットしながら、必要な手当てを施すことは政治としてのイロハでバラマキではない」と反論した。

と、お互いに「バラマキ」とレッテルを押しつけ合っている。

重要なのは景気対策としてなにが効果的かってことなのだとすると、政府が必要な手当とやらを施すべきところを恣意的に判断することのほうが、減税よりも効果的だと鳩山氏は言いたいらしい。やはり民主党には政権は任せられないねといういつもの結論になってしまう。