これはひどいw てか、笑いごとじゃねーって


政策の機動性掲げた白川日銀(日経ネット:5月1日)

 もっとも生鮮食品を除く消費者物価上昇率の見通しは、08年度が1.1%と前回の0.4%から大幅上方修正され、09年度も1.0%となった。現在の政策金利無担保コール翌日物金利)は年0.5%なので、物価上昇率を差し引いた実質金利はマイナスとなり、金融緩和の度合いは大きくなりつつある。

 金融緩和の度合いが大きくなりつつある? 正気ですか? 
 実質金利名目金利ーインフレ率だから、消費者物価指数(ここでは生鮮食品除いたコアCPI)をインフレ率とすれば、たしかに実質金利はマイナスになってしまう。
 

 しかし、インフレ率は、正しくは、GDPデフレータ(名目GDP/実質GDP、つまり、国内で生み出されたお金で測った総付加価値の増加率)を使うか、物価指数ならエネルギー価格も除いたコアコアCPIを使うべきであり、さらに言えば、政策金利よりも市中金利は高いから、ここでもバイアスがかかってる。
 つうかそもそもこの物価上昇率プラス1.1%ってのもたんなる見通しだろ。いままで値上げを我慢してきた食品が一斉に値上げし、そのうえ中国産品の輸入激減で供給ショックがあったタイミングでならそりゃ高くも出るさ。この1.1%って、ありとあらゆる上方バイアスをかき集めた数値って感じ。 
 

 日経の計算のしかたは、日銀のインフレ警戒スタンスに迎合したミスリードと言うしか無い。正しく計算すれば、(まあこれは近似値でしかないが、インフレ率が低いうちは誤差は小さい)GDPデフレータはいまだにマイナスだから、当然実質金利は、名目の市中金利よりもさらに高くなる。
 日経読者は変だと思わないのか? でもこんな話もあるくらいだからなぁ。

白川日銀新総裁に利上げを望むのか(山崎元のマルチスコープ)

 20日日経新聞に、「日銀新総裁に望む金融政策」としたアンケート調査結果が載っていた。そもそも日銀の金融政策は世論の人気で決めるものではないが、世間の人々が日銀に何を望んでいるかは興味深い。

 調査結果によると、政策金利について「据え置きを望む」が48%と最大多数だが、「引き上げを望む」が44%に及び、「引き下げを望む」が8%と、上げ下げには大きな差が付いた。アンケート対象が、日経新聞の読者であること、インターネットでの調査であることなどから、この調査対象は、平均的な日本人よりも経済リテラシーが高い層だろうと考えると、金利引き上げを望む声がこれほど多いことに少々驚いた。