「セクロボ」は、深夜枠ならイケたかも
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2007/09/20
- メディア: DVD
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原作改変しまくりでも佳作
このドラマは、原作が好きだったこともありよく見ていた。視聴率的には惨敗(平均一桁)だったが、作品そのものの評価は高い。一般ウケしなかった理由としてウィキペディア等では、原作を大幅に改変したことを指摘している(作品タイトルの「セクシーボイス」のフレーズが、劇中いちども言及されない)が、最大の敗因は、主人公をニコ(大後寿々花)から、ロボ(松山ケンイチ)に変えてしまったことだろう。所属事務所の力関係(松山はホリプロ所属)で、ロボの見せ場を増やさざるを得なかったのだろうが、これがあらゆる面で足枷になったのでは。原作通りの設定にしていれば、ずいぶん良くなったはずだ。
それでもこのドラマは、よくできていたと思う。マツケンロボのキモオタっぷりは良かったし、大後寿々花は脇のベテラン役者にも負けない上手さだった。原作連載時期との時代状況のずれも、うまく現在化できていたと思う(テレクラだけは仕方ないが)。コミカルな演出ながら、各エピソードに普遍的なメッセージが込められてもいる。
幻の第7話(VOICE7)
今回とりあげたDVDには、放映中止になった幻のエピソードが収録されている。放映直前に起きたたてこもり事件を連想させるというのが中止の理由だったが、たてこもりだから問題なのではなく、お話の方向性が犯罪者に同情的だと見られることを恐れたのだろう。結果、放映済みの回(VOICE2)が再放送され、ますます平均視聴率を下げることになった。