新幹線・格差・デフレ

 何となく観てしまった番組。

「新幹線は東京を中心に整備されるから、ますます人もモノも一極集中し、地方との格差を拡大する」(番組中の原武史氏の発言)

TBS報道特集「新幹線は地方の救世主か」

 全国で進む新幹線の整備で、新幹線の通った地域と通らない地域で格差が生まれているという話。長野の佐久なんかは、それまで田んぼだったところに新幹線の駅ができて地価が80倍とか、通らなかった鹿児島の阿久根なんかは、新幹線駅周辺に客を持って行かれ、その上もともと通っていた在来線特急までなくなったばかりか、税負担だけはしっかりおっかぶせられている、と。
 上記の原さんの発言では、東京と地方との格差にすり替わっちゃってるけど、これは地域間格差の問題。新幹線で発展した地域が周辺地域から富をストローで吸い取るようにさらってしまう。ぼくは名古屋にほど近い、岐阜県美濃地方の出身なんだけど、岐阜市周辺と名古屋の間でもこの「ストロ−現象」がおこってる。帰省するたび岐阜市を経由するのだが、岐阜市街のさびれ方は本当にひどい。いわゆるシャッター街だね。みんな買いものというと岐阜を素通りして名古屋に行っちまうんだ。
 でもこれは、デフレで総需要が不足しているから、地域間で客=パイの奪い合いになってしまうためにおこっている事だと思う。格差を生むから新幹線なんか反対だとか、イオンのショッピングモールは反対だとかいっても始まらんのではないかな。
 あるいは一極集中しちゃえばいいのさって気もする。シャッター街の商店も商売変えた方がいい。でもこうした移転がスムーズに進むためにもデフレ=需要不足の解消が必要なんだな。デフレ状況では実質金利が高くなって新たな投資が困難だから。